顎口腔外科学における治療成績向上を最先端の医療で目指します。

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顎関節症

顎関節について

顎関節は,左右が一対をなして,回転運動と滑走運動の両方を行う他の関節にはない特徴を有し,咬合が関与するために歯科で扱われております.顎関節の疾患のなかで最も多いのが顎関節症です.
(図:復位を伴わない関節円板前方転位)

顎関節症の定義

顎関節症とは顎関節や咀嚼筋の疼痛,関節(雑)音,開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢性疾患群の総括的診断名であり,その病態には咀嚼筋痛障害,顎関節痛障害,顎関節円板障害および変形性顎関節症などが含まれています.

【顎関節学会の症型分類】
・咀嚼筋痛障害myalgia of the masticatory muscle(Ⅰ型)
・顎関節痛障害arthralgia of the temporomandibular joint(Ⅱ型)
・顎関節円板障害temporomandibular joint disc derangement(Ⅲ型)
  a.復位性with reduction
  b.非復位性without reduction
・変形性顎関節症osteoarthrosis/osteoarthritis of the temporomandibular joint(Ⅳ型)
(日本顎関節学会 顎関節症診療に関するガイドライン 2013年)

【顎関節学会の診断手順】
顎関節症の主要症状を呈するだけでなく,類似した症状を呈する他疾患を的確に除外する必要があります.


顎関節症と鑑別を要する疾患

顎関節症と鑑別を要する疾患は,他の顎関節疾患と顎関節・咀嚼筋以外の疾患とに大別されます.顎関節症以外の顎関節疾患には,発育異常,外傷,炎症,腫瘍および腫瘍類似疾患,顎関節強直症などがあります.顎関節・咀嚼筋以外の疾患には,頭蓋内疾患をはじめ顎関節周囲の隣接器官である歯性疾患,顎骨などの腫瘍性疾患あるいは炎症性疾患,各種耳鼻咽喉科疾患,筋・骨格系,心臓・血管系の疾患,神経疾患,頭痛,精神神経学的疾患などがあります.
右側顎関節腫瘍(右側下顎頭部にX線不透過性の腫瘍性病変を認める)

顎関節強直症(両側顎関節に骨性癒着を認める)

顎関節症の治療について

顎関節症の治療法は,初期治療として悪習癖を取り除く認知行動療法,消炎鎮痛剤などの薬物療法,スプリント療法,理学療法などの保存的な治療法が行われます.保存的療法で症状の改善が得られない場合には,二次治療としてパンピングマニピュレーション,上関節腔洗浄療法,顎関節鏡視下手術,顎関節開放手術などの外科療法が行われることもあります.
スタビライゼーションスプリント


上関節腔洗浄療法
関節腔内の微小癒着病変を取り除き,腔内に貯留した炎症性産物および発痛物質を洗い流します

当科における治療実績

当科では年間約200例の顎関節疾患の加療を行っております.早期の除痛,顎運動制限の回復をはかり,日常生活での支障の改善を目指しています.
2010年から2014年までに当科で治療した患者さんの平均治療期間はⅠ型1.75か月,Ⅱ型1.5か月,Ⅲa型2.0か月,Ⅲb型3.5か月,Ⅳ型4.0か月でした.Ⅰ型,Ⅱ型,Ⅲa型に初期治療のみで症状の改善が得られました.二次治療を要したのは,Ⅲb型の24.6%,Ⅳ型の17.7%でした.

顎関節専門外来

毎週火曜日と木曜日の午後に専門外来を開設しています。

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
口腔機能再構築学講座 顎口腔外科学分野
東京都文京区湯島1-5-45

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